Eye of the Storm

BCで追加されたBG。Netherstormのどこかにある浮き島の一つらしい。BCではHFP、Zangar、Nag、TFの4エリアにフィールドPvP要素が用意されたが、新BGはこれだけだった。
このBGのシステムははっきりWSG/ABの折衷である。全部で4つある拠点(タワー)を占拠していると時間経過によりポイントが加算される。またエリア中央に出現するFlagを運んで自軍拠点に持ち帰ることでもポイントを獲得できる。勝利条件は相手チームより先に1600ptを獲得すること。Flagの取得はクリックしてチャネリング操作。拠点のCapは、近くにより多くのプレイヤーがいる陣営側にゲージが傾いていく方式(Tug-O-War style;綱引き方式)。これはBCの多くのフィールドPvPオブジェクトや、さらにその前だとクラシックのEPLにおけるタワーで用いられていた方式でもある。のちにWG、TBでも採用されることになった。

  • 時間当たりポイント収入
    • 1Cap:1pt/sec
    • 2Cap:2pt/sec
    • 3Cap:5pt/sec
    • 4Cap:10pt/sec
  • Flag1Capあたりポイント加算
    • 1Cap:75pt
    • 2Cap:85pt
    • 3Cap:100pt
    • 4Cap:500pt

このBGは南北にも東西にもほぼ対称な地形で、Aは北、Hは南からスタートする。たいていの場合、それぞれ近いほうの拠点2つずつをCapしあってから、さあこれからどうしようかという展開になることが多い。たまに近い側のCapはそこそこに、はじめから決め打ちで敵スタート地点側の東西どちらかの拠点を急襲しに行くパターンもある。2-2になるとそこからの展開は、Flag指向か3Cap指向かに分かれる。Flag1Capあたりのポイント加算は自軍の拠点数に依存しており、多く拠点を持っているとFlagCap時のポイントも多くなる。当然ながら拠点占拠による継続ポイント収入も拠点数が多いほど多くなる。
2種類のポイントアプローチがあることから、EotSは一見複雑で必勝法といえるような鉄板の選択はないようにも見える。が、ポイント表を眺めると以下の事実が見えてくる。1タワーですべてのFlagをCapするチームと3タワーを維持し続けるチームが戦った場合、ルール上3タワー維持のチームが勝つ*1。従っておおざっぱに言うと、2-2のイーブン状態からのトレードオフを考えた場合、 +1タワーの価値 > その後の試合時間通した全Flagの価値 である*2
よって3Capを狙っていくか、あるいは3Capされそうなら即座に2Capを回復しにいく意識は少なくとも持っていないと確実に負ける。前述したFlag指向か3Cap指向かという選択でFlag指向を取る場合、相手チームの3Capだけは可能な限り長く阻止し続けないとどんなにFlagを取れても逆転される可能性がある。ただFlagをきっちり取っていける場合、紙一重の攻防にはなるが、1-2を長時間維持できるならば必ずしも2-2にまで戻さなくてもいい可能性はある*3。ここからは対戦するチームがどちらを指向するか、その組み合わせによって戦況が変わってくることになる。

  • Flag指向 vs. Flag指向
    • 主に序盤、どちらのチームからもFlagに何人か群がった場合に見られる状況。結果は純粋にMidfightの強弱で決まる。が、最初の取り合いで負けてWipeさせられた方がその後も2Cap&Flagにこだわり続けることはあまりなく、その後拠点奪取に自然と方向転換していくことが多い。
  • Flag指向 vs. 3Cap指向
    • Flag指向のチームは3Capされないように維持or敵拠点牽制しながらFlagを運搬する形になる。その時のポイント差にもよるが、基本的には3Capを達成した側はその時点で若干有利になる。その場合Flagを狙っていた側はFlag取得によるリードが生きているうちに敵の一角を崩す必要がある。よほど戦力差があるのでない限り1-3を1-2に戻すのはそこまで困難ではないので、きちんと切り替えていくのが肝心。
  • 3Cap指向 vs. 3Cap指向
    • Flag完全無視の奪い合い、裏の取り合い。戦力差がない場合必然的にシーソーゲームになる。差が開かないことに業を煮やしてFlagに手を出す輩が必ず出始めるので(こう書いたが、最初に厳密な取り決めをしていたのでもない限り、別に悪いことではない)、そのあたりから別の方向性にシフトが始まる。序盤にFlagへ行かないプレイヤーが多い試合だとこっちになる。

見て分かる通り、結局のところこれらの組み合わせは戦況によって移り変わっていくもの。逆に言えば、戦況が長時間固定されてしまっているのはたいていの場合、どちらかのチームが打開できなくなった状況であり、つまりは勝敗も決している状況である。戦力的に互角ならば、このBGもABと同じく、コミュニケーションをとりつつ臨機応変に動くことだけが勝利への王道だろう。ついでに言えば、ノックバックやMCで奈落に落とされるのもABと全く同じである。
ただし、ABとは異なる点ももちろんある。方式は違えど拠点のCapが一人ではできないというのは同じなのだが、EotSでは拠点のCap妨害も一人ではできない。つまり少数ディフェンスで多人数にアサルトされた場合救援なしでは否応なしにCapをはがされてしまうということ(一応攻撃側に関しても、中途半端な人数では中立時間が長くなってしまうが)。その代わり、中央のFlagはタイミングによっては全く一人でCapすることもできるようになっているということだ。
どちらのチームも拠点奪取に躍起になっている状況で、Flagが放置されているならば狙いにいくのは大いに結構。ただし3Capされそうな状況などで一人せっせとFlagを運ぶのは単なるスタンドプレーになってしまうこともあるので、顰蹙を買わないように状況を見よう。「まずは拠点」がEotSにおける鉄則だ。

*1:右のポイント表から、3Capを維持すると320秒で1600ptに達する。一方その間1Capのチームは320ptを獲得するので、差は1280pt。1Cap時のFlagCapによる加算は75ptなので、Flagを18本Capしなければ勝利できない(17本では5pt差で負ける)。320/18=17.77よりFlag一本当たり約18秒でCapを繰り返さなければならないが、実際はFlagCap後のRespawn待ち時間とチャネリング操作時間があるのでこれは不可能である。

*2:0pt時からでなく、任意の両チーム同点状態からで考えても、3-1になるとその後ポイント差は4pt/secで広がっていくので、75/4=18.75よりFlag1Capに19秒以上時間をかけさせれば、Flagを取られることによるポイント加算を定時収入だけで振り切ることができる。

*3:拠点数2-2をキープし続ければFlagを多く取ったほうが勝つのは自明だが、1-2で推移する場合もFlagを多くとることが強力なアプローチになりうるから。上と同じように同点からの変動で考えると、1-2ならばポイント差は1pt/secでしか開かないので、75秒以内にFlagをCapできるならば占拠数で負けていてもポイント上イーブンなまま戦うことができる。Respawn待ちとチャネリング操作を合わせて1分前後でCapできる場合、そのまま勝つこともできる。ただし、味方拠点がなくなるとFlagはCapできなくなるのでそこだけ注意。